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■活動報告16■


平成26年6月の議会で以下11項目について
所属会派を代表し質問を行ないました。


1.市政運営の優先順位について  2.予算と組織について
  3.アサヒビール西宮工場跡地公共施設移転整備問題について
  4.西宮市立中央病院について 
  5.公立学校の施設不足解消について
  6.学校施設の管理と学校の安全について
  7.子ども・子育てにつて  8.市営住宅について
  9.職員の配置について  10.参画と協働について
  11.選挙ちらしについて

【質問】
それでは、市民クラブ改革を代表して市長の所信表明に対する代表質問を行います。
 
1、市政運営の優先順位について。
 市長は、このたびの所信表明の根幹として、本市が昭和38年11月3日に行った文教住宅都市宣言を置いているようですが、本市は、都市宣言を四つ行っています。あとの三つは、昭和37年の安全都市宣言、昭和58年の平和非核都市宣言、平成15年の環境学習都市宣言です。この4宣言の中で特に文教住宅都市宣言にこだわる根拠と、ほかの宣言についてはどう考えるのかをお聞かせください。
 次に、文教住宅都市宣言へのこだわりからか、教育環境の改善の中に最優先課題を見出しているようにもとれる部分があります。もちろん、教育環境の改善は優先順位の高いテーマだとは思いますが、本当の最優先課題は、有事は当然ですが、平時における市民、住民の生命と財産を守る安心・安全なまちづくりではないでしょうか。そのことについてのお考えをお聞かせください。
 
2番目、予算と組織について。
 子供と教育、医療と福祉、防災対策にめり張りをつけた行政経営を行うという所信表明でしたが、めり張りをつけた行政経営を行うに当たり、第4次総合計画の基本計画の見直しや予算の組み替えを実施する必要が生じると考えますが、初年度として具体的にどのようにするのか、質問いたします。
 さらに、教育委員会と市長事務部局での一元的な政策の設計ができるような組織の構築、医療課題の解決に向けた庁内横断的な医療政策を総括する部門の設置等、組織の組みかえについても言及しておられますが、それらについての具体的なお考えをお聞かせください。
 また、アサヒビール西宮工場跡地の土地取得関連予算の減額補正についてはいつ実施するのかもあわせて質問いたします。
 
3番目、アサヒビール西宮工場跡地公共施設移転整備問題について。
 この問題は、長い歳月をかけて各方面の意見聴取や数多くの議論を経て、昨年12月、土地買収のための債務負担行為の可決、さらに、本年3月議会において、圧倒的多数である29人の議員の賛成により、土地取得関連予算を含む翌年度予算として可決された問題です。
 総事業費262億円ですが、国の補助金もあり、ましてや全てが単年度に必要な額ではなく、建設費等は起債して20年から30年をかけて返済するという計画でした。本年度の予算では、土地取得関連で約68億8,000万円が計上されています。しかし、土地取得後に国から補助される金額を除いた実質的な本市の市税負担額は約50億円です。さらに、移転施設の跡地売却金額を約56億円と見込んでいました。極端に言うと、初年度は、後から振り返ると、ばらばらの3カ所の土地をアサヒビール西宮工場跡地と交換して集約した上に、緑豊かな1ヘクタールに及ぶ公園を設置し、市民サービスの向上を図るとともに、さらに6億円がプラスになると見込んでいた計画とも言えます。さらに、5ヘクタールのうち約1.2ヘクタールの道路用地や駅前空間用地は、無償で市に渡されることになっており、本市にとって非常に有利な条件である上に、文教住宅都市にふさわしいまちづくりの計画であったと思います。
 この計画を白紙撤回したとしても、跡地に集約を予定していた中央病院、体育館、消防署、いずれもが建物の躯体自体が老朽化しており、中央病院、体育館においては、耐震性能も要求水準を満たしていません。一つの解決策として、たとえ中央病院が県立病院と統合するにしても、費用は発生します。ほかの施設は現地で建てかえるとしても、全ての施設において、それぞれ費用は発生します。
 当初、中央病院、体育館、消防署の施設を集約し、建てかえることにより、老朽化や耐震性の問題を一気に解決しようとし、さらに、1ヘクタールの防災公園も含めてまちづくりしようとした計画に対し、市長が考えているそれぞれの施設において個別に問題を解決していく方法とでは、予算的にどれぐらいの違いが最終的にはあるのか、お考えを質問いたします。
 次に、1ヘクタールの防災公園ですが、国は、その土地の買収費用、整備費用の2分の1を補助してあげますからつくりなさいと推奨しているものです。防災対策にめり張りをつけている市長なら、当然必要と考えていると思います。
 また、本市が平成14年を基準年として、平成34年までの20年間にかけて取り組んでいる緑の基本計画では、目標年次である平成34年には、市街地の3割の緑化、市民1人当たり公園緑地面積20平方メートル以上の確保を目指しています。緑の基本計画は、第3次西宮市総合計画を上位計画と位置づけ、その基本理念は、「文教住宅都市を基調とする個性的な都市〜活力と希望に満ちた西宮をめざして〜」というもので、その趣旨は、第4次西宮市総合計画にそのまま引き継がれています。
 また、都市公園法での基準である市民1人当たりの公園緑地面積10平方メートルを下回っている本市の現状を鑑みても、公園の新設整備は当然必要な計画であると思います。お考えをお聞かせください。
 さらに、市長は、50年後、100年後の西宮に責任を持つ政治と言われています。アサヒビール西宮工場跡地の取得は、50年後も100年後も立派な本市の財産になるでしょう。そして、阪急西宮北口とJR西宮近隣地区を含めて、将来的な本市の中心市街地になる可能性も秘めていたと思います。お考えをお聞かせください。
 最後に、これまで市長の選挙チラシやブログの中の表現で、アサヒビール跡地の取引をやめたりするととても困る一部議員が必死になっているという、とても気になる表現がありますが、どういう意味でしょうか。一部議員とはこの議場にいる議員のことを指しているのでしょうか、質問いたします。
 
4、西宮市立中央病院について。
 中央病院は、県立西宮病院との統合を視野に入れて、その方針が定まるまで現状のままということですが、まず、耐震性能が要求水準を満たしていない中央病院を現状のままどのくらいの期間を限度に放置するということでしょうか、質問いたします。
 また、県立西宮病院との統合について、病院事業管理者、関係する大学医学部、医療関係者は統合に前向きだそうですが、肝心の兵庫県の意向はどうなのでしょうか、質問いたします。
 
5番目、公立学校の施設不足の解消について。
 高木小学校では、運動会のために中学校の校庭を借りたり、自校の校庭では学年別で午後と午前の2回に分けてしか実施できない状態になっていました。そのために、高木小学校区である薬師町に平成28年度開校を目標に小学校を新設する予定です。しかし、その他の地区でも、教室不足のために教育委員会の要綱で集合住宅の建設を規制している地区は多くあります。公立学校の施設不足解消のために、それらの地区での小学校や、また中学校についても、新設というお考えがあるのか、質問いたします。
 次に、用地を取得することで学校敷地を拡大する方法や、老朽校舎を増改築して運動場の拡張と教室不足の解消を同時に行うとする方法について質問いたします。
 具体的にどれだけの小・中学校で取り組むことが可能なのか、また、その方策をいつごろまでに行い、それによってどれぐらい現状より改善するのか、そのための予算をどれぐらい考えているのか、質問いたします。
 
6番目、学校施設の管理と学校の安全について。
 まず、学校施設の管理で、市長事務部局に移譲可能な権限や業務として考えているものを具体的に教えてください。
 次に、校庭開放ですが、現在の校門警備は、教育委員会の責任で実施されています。学校に負担をかけることなく実施するとは、子供の安全についてどこまで市長事務部局が責任を持つのか、通学路の安全はどうするのか等、学校における子供の安全についての考え方を質問します。
 
7番目、子ども・子育てについて。
 平成27年度から実施予定の子ども・子育て支援新制度の準備段階として、厚生常任委員会では、認定こども園法13条1項の規定にのっとり、幼保連携型認定こども園の認可基準の策定に対して提言を行ったところです。新制度移行の準備は着実に進んでいます。市長は、民間活力の積極的導入ということで、幼稚園や保育所でも検討していくと言っていますが、新制度に移行していく中で、現在設置している公立幼稚園や公立保育所をどう位置づけて対応していくのか、質問いたします。
 また、新制度において、多岐にわたる施設の種類のうちどの類型を活用すれば、民間活力の導入によって効果があると考えているのか、質問いたします。
 
8番目、市営住宅について。
 平成7年の阪神・淡路大震災の被災者のため、本市市営住宅は、それまでの約7,000戸から最大時1万戸を超えるまでにふえました。拡大した市営住宅を老朽化したところから用途廃止して新築の市営住宅に統合し、時間をかけて震災前の水準まで戻していっている最中です。所信表明の中の現在進めている統廃合の取り組みをより進めるというのは、具体的にはどうすることなのか、質問いたします。
 また、現在の統廃合における移転先である新住宅でのコミュニティーについて問題ないのか、質問します。
 具体的な事例ですが、私が甲子園九番町の新築市営住宅に用途廃止になる団地から転入した知人を訪問したときの話です。その人は、数年前に主人を亡くし、高齢者のひとり暮らしです。私に、新市営に移転してからできた友人を数人紹介してくれましたが、皆、用途廃止になる団地から移転してきた高齢者のひとり暮らしの人でした。聞くところによると、甲子園九番町の新築市営住宅は、一般公募はなしで、皆、用途廃止の団地からの移転者だそうです。そのため、ほとんど若い人はおらず、高齢者ばかりということで、管理委員会の運営や、共用部分の掃除や手入れに不安を感じるということでした。こうした高齢者ばかりを同じ住宅に集めるような結果に対して何か配慮が必要だと思いますが、どうでしょうか。
 次に、市営住宅のあり方自体の検討とは、戸数を震災前の水準までダウンさせるという従来の方針であるハード面のことをおっしゃっているのか、もしくは、市営住宅を他の公共施設、例えば福祉施設へ転換するようなソフト面のことをおっしゃっているのか、それとも、ほかに何かお考えがあるのか、質問いたします。
 
9番目、職員の配置について。
 所信表明の中の職員の任用及び職種の違いを超えた職員配置のあり方というのは、例えば技能労務職と事務職の壁を取り払い、転用等を大胆に行うということなのか、また、民間企業で問題視されている正社員とアルバイトが同じレベルの仕事をしているのに、同一職種同一賃金の原則から逸脱しているようなことにならないような配慮についてどのように考えているのか、質問いたします。
 さらに、採用戦略の大きな見直しについて、民間からの中途採用について考えているのか、質問いたします。
 
10番目、参画と協働について。
 地域との関係を、分野ごとでなく、地域を切り口として対応することには賛成です。しかし、12月の一般質問でこの壇上でも言いましたが、本市には、複数の町に自治会空白区があります。それらの解消について、12月議会では有効な解決策は示されませんでした。また、多くの地域では、分野ごとにメンバーがかわっているのではなく、福祉、防犯、防災、環境等、限られたメンバーが兼任しているのが実情です。さらに、その限られたメンバーは高齢化し、後継者不足というのもほぼ多くの地域の共通した悩みになっています。これらの問題を解決し、横串を通せるしっかりとした地域の構築が先決だと考えますが、有効な解決策をお示しください。
 
最後、11番目、選挙チラシについて。
 市長が選挙のために大量にポスティングした御自分のチラシの中で、アサヒビール西宮工場跡地への公共施設移転問題と、昭和30年代、西宮の海岸を埋め立てて石油コンビナートを誘致する計画があった問題とを、同じ西宮の危機のように書いておられます。しかし、この二つは、根本的に性質の違う問題であり、並列に語ること自体、まことにナンセンスだと思います。アサヒビール西宮工場は、いわゆるまちづくりの話であり、片や石油コンビナートの誘致は、企業がお金もうけをする話です。全く性質の違う問題を一緒のことのように論じて市民、有権者に錯覚や勘違いを起こさせることは、為政者としての禁じ手だと思います。市長からの反論をお待ちします。
 以上、1回目の質問を終わります。

 

◎市長(今村岳司) 
 1番目の市政運営の優先順位について私からお答えいたします。
 私は、文教住宅都市宣言が本市の市政運営上最も重要なものと考えております。
 しかし、平和の維持や核兵器削減に向けての課題は、国が外交や防衛政策により対処する事項ではありますが、核兵器廃絶や平和を愛する市民の願いに対し、自治体として施策を講じることは意義のあることだと考えております。今後、現在行っている平和事業の必要性や効果などを検証し、見直しを進め、有意義な平和施策を推進してまいります。
 また、本市では、石油コンビナート誘致反対運動など、市民みずからが環境問題に取り組んできた歴史がございます。環境学習都市宣言は、文教住宅都市宣言の精神を継承しつつ、環境学習を軸とした持続可能なまちづくりを目指したものでございます。今後は、現在行っている環境学習事業を検証し、環境学習都市宣言の趣旨に沿った施策を実施してまいります。
 次に、平時における住民の生命を守る安心・安全なまちづくりについては、所信表明等においてあえて言及するまでもなく、市長として当然取り組むべき課題であると認識しております。
 次に、2番目の予算と組織に関する御質問のうち、総合計画基本計画の見直しとアサヒビール西宮工場跡地取得関連予算の減額補正についてお答えいたします。
 総合計画の基本計画の中間見直しについては、昨年12月市議会において賛成多数で可決され、アサヒビール西宮工場跡地の取得及び中央病院等公共施設の整備関連予算についても、3月市議会において承認を得ております。しかし、さきの市長選挙の結果を受けて跡地の買収計画については白紙に戻すことから、これに関する総合計画基本計画の変更及び跡地関連予算の減額補正を行う必要がございます。総合計画基本計画の大部分においては、施策の方向性自体が変わるものではなく、現基本計画の枠内で今後の政策推進を行うことが可能であると考えております。しかしながら、アサヒビール西宮工場跡地関連及び中央病院関連については、政策推進の方向性自体が変わるものであり、現基本計画の記載内容とそごが生じることから、跡地活用に対する方向性や考え方を定めた上で、当該部分を中心に必要最小限の変更を行います。こちらに関しては、6月から事業計画の変更に着手し、庁内での検討や関係機関との協議を進め、基本計画の変更が必要となってくるアサヒビール西宮工場跡地関連及び中央病院関連についての変更を反映した事業計画を策定いたします。12月にこれを踏まえた基本計画の変更案を常任委員会へ御報告申し上げて御意見をいただいた後、3月市議会で議案として審議をお願いする予定としております。また、減額補正については、総合計画基本計画の変更とあわせて行う予定でございます。
 次に、組織についてお答えいたします。
 まず、教育委員会と市長事務部局の政策に係る一元的な組織の構築についてです。
 教育委員会は、市長事務部局から独立した組織として設置されておりますが、分野によっては、市長事務部局と類似の施策・事業を実施しているケースがございます。こども支援局を例にとると、保育所や留守家庭児童育成センターは同局が、また、幼稚園や放課後子ども教室は教育委員会が所管しています。このほか、教育施設建設の基本計画などは教育委員会が、学校施設の整備及び保全に係る基本計画などは市長事務部局が所管しております。内部管理事務についても、整理統合が必要なものが見受けられます。
 私は、教育委員会の事務について、可能なものは早急に市長事務部局に移管していくことが必要と考えます。これにより、市全体として、効率的でより迅速な市民サービスを提供することができます。そのため、市長事務部局が教育委員会の事務を補助執行したり、事務の委任を受けたりすることも含めて、法令や市の例規、制度を研究し、具体的な執行体制を検討してまいります。
 次に、医療課題の解決に向けた庁内横断的な組織の整備についてでございます。
 本市の医療施策は、主に福祉部、保健所、市立中央病院が担っております。今後、高齢化の進展などに伴い、医療課題の増加が見込まれますが、それぞれの部局が独自に動くのではなく、互いに解決に向けて連携することが欠かせません。このためには、医療関係部局の機能を統括し、医療政策を進める部門が必要と考えますので、平成27年度にも必要な組織改正を行い、課題解決に向けて、局などの垣根を越えた取り組みを進めてまいります。
 3番目のアサヒビール西宮工場跡地の公共施設移転整備問題についてお答えいたします。
 計画を白紙撤回し、各公共施設において個別に問題解決していった場合では、これまでの計画と予算的にどの程度違いがあるかという質問にお答えいたします。
 これまでの代表質問でもお答えしましたとおり、アサヒの工場跡地におけるこれまでの計画に対して、私は、土地を買うこと自体よりも、むしろその中身が問題であったと主張してまいりました。体育館と消防署は現地近くの建てかえを進めていけば、土地の取得経費は発生いたしません。さらに、中央体育館においては、移転整備では代替機能の確保が課題となっていた大社地区における避難所機能を維持しながら、運動公園と隣接する立地の優位性を生かした地域防災拠点としての機能の充実も図ることができます。そもそも、体育館と消防署の建てかえ用地をどこかで検討すべきというところから工場跡地の取得の話が出てきたわけではございません。病院に至っては、平成23年9月、西宮市立中央病院移転整備等検討委員会の答申では芸文センターの第2駐車場が適当とされておりながら、その3カ月後、平成23年12月には、市はアサヒビール工場の跡地が適地としております。
 このように、これまでの計画は、明らかにアサヒの工場跡地を取得したいという意思から出てきている政策推進であり、合理的に説明できる政策ではなかったと考えております。根拠もなく、また、そこに整備すべき合理的理由がない公共施設を移転整備するために土地を取得し、最も合理的手法という説明ができないまま建設事業がなされるとすれば、それは無駄な公共事業と言わざるを得ないと考えております。
 なお、各公共施設の建てかえ更新に当たっての建設コストなどについては、同じ規模で同じ仕様であれば、これまでの計画との違いは生じませんが、新体育館などの施設整備の内容については、今後、改めて検討を進めてまいります。また、中央病院については、県立病院との統合に向けた課題の抽出や整理を行い、早期実現に向けて取り組んでまいりますので、現時点において、これまでの計画との予算的な違いをお示しすることはできません。
 次に、公園の新設整備の必要性に関する御質問についてお答えいたします。
 アサヒの工場跡地におきましては、大規模な工場跡地の土地利用転換に必要となる基盤施設の一つとして、民間の開発行為により、当初計画していた1ヘクタール規模の公共空間を確保することは難しいものの、防災性も備えた一定規模の公園が確保できるよう取り組んでまいります。
 次に、アサヒ工場跡地の取得は、立派な市の財産となり、将来的な市の中心市街地になる可能性を秘めているがとの御指摘にお答えいたします。
 アサヒビールの西宮工場跡地は、阪急西宮北口駅周辺やJR西宮駅周辺などとともに、本市の中心市街地を形成する上で重要な位置にあることは認識しております。だからこそ、民間の資金とアイデアを主体とした、対象地にふさわしい開発事業を期待することができ、市は、まちづくり方策の設計段階から積極的に事業者と協議を重ねることで、想定される行政課題の解消に徹するべきだと考えます。これまでの代表質問に対してもお答えさせていただいたとおり、市の用地取得については、以前は市においても、明確に利用計画の決まっていない土地を先行取得し、将来の利用に備えるといったこともありましたが、本来的には、市は、用途と時期など、利用計画を明確に定めた上で土地を取得すべきだと考えております。したがって、これからの公共施設整備に関しては、市有財産の有効活用を基本とする政策を推進してまいります。
 次に、アサヒビールの跡地取引をやめると困る一部議員がいるとの質問についてですが、これは、合理的理由以上に用地取得を主張している議員がおられ、私が議員であったときに、そういう側に立つ方との議論が成り立ちにくかったという趣旨でブログに記載したものでございます。今後は、この記事を書いた当時の一議員ではなく、市長としては、発言・言動には慎重を期してまいりたいと思っております。
 4番目の西宮市立中央病院についての御質問についてお答えいたします。
 まず、建物の耐震性能が要求水準を満たしていない状況でいつまで現状のままとするのかについての御質問でございます。
 現在、市内の医療課題の洗い出しを行っておりますが、同時に、中央病院が県立西宮病院と統合し、どのような役割を果たすべきか、役割を果たすためにはどのような医療を提供し、必要な機能は何か、また、統合するまでの間の中央病院のあり方についての検討をし、市の方針を決定することとしております。将来の中央病院のあり方を決める前の設備投資は過剰な投資となる可能性もあるため、なるべく早く決定し、それを前提として、将来を見据えた耐震化・老朽化対策への対応を検討してまいります。
 次に、統合に向けた県の意向についての御質問です。
 私の市長就任前までにお聞きしている中央病院と県立西宮病院との統合についての県の意向は、必ずしも前向きではないというものでした。しかしながら、それは、アサヒビール工場跡地に中央病院単独で移転新築を行うとの計画が進行していたという状況下であり、現在と状況が異なっております。現在は、市内の医療課題の洗い出しを行うとともに、両病院の統合により、課題の解決を図ろうとしております。今後、統合に向けた課題の抽出と整理を行った上で、県に対しまして、中央病院と県立西宮病院が統合することの有効性や必要性をお示しして、統合の早期実現について努力してまいります。
 5番目の公立学校の施設不足解消についての御質問にお答えいたします。
 教室や運動場などの学校施設の不足を解消し、学習や遊びや運動など、子供たちが伸び伸びと活動できるよう教育環境を改善することは、文教住宅都市宣言を行った本市にとって最優先課題の一つです。この課題の解決に取り組むには、運動場の拡大などが必要な学校がどの程度あるのかを把握し、施設の状況や児童生徒数の今後の推移など、学校ごとの課題を整理するとともに、取得可能な隣接地の有無についても確認する必要がございます。また、教室や運動場などの学校施設の不足とあわせて、校舎が老朽化している学校においては、老朽校舎を増改築して校舎の配置をコンパクトにまとめることで、運動場の拡張と教室不足の解消を同時に行う方法もあります。これらのことについて所信表明で申し上げたのは、教育環境の改善は本市の最優先課題であるということを明確にしたかったためでございます。
 学校敷地の拡大や増改築を、いつごろまでに、何校程度実施するのか、そのために予算がどの程度必要なのかなど、具体的な計画については、今後、学校ごとの施設の状況に応じて早急に対応方針を定め、議会へも報告するとともに、事業化に向けて取り組んでまいります。作業工程としては、今年度は、まず、明らかに優先度が高いと考えられる学校について、隣接地の取得や増改築などの実施方針を定めたいと考えております。来年度以降には、その他の学校についても、比較的優先度の高い学校と低い学校の振り分けや、何校程度実施するかなどの方針を定めていきたいと考えております。
 なお、新設小学校・中学校の設置を考えているのかについては、まずは、隣接地の取得や増改築などを検討することとしておりますので、その後に検討したいと考えております。
 6番目の学校施設の管理と学校の安全についての質問にお答えいたします。
 まず、市長事務部局に移譲可能な権限や業務につきましては、一般的に学校施設は学校教育以外の目的での使用は禁止されていることに加え、法的には学校施設の管理は教育委員会の権限であると明記されております。しかし、学校施設の複合化や校庭開放の実施を検討する場合においては、空き教室や放課後の校庭が学校教育以外のほかの用途に使用できるように、教育財産の使用許可や学校施設の目的外使用に関する規則の改正といった手法によって、空き教室、放課後の校庭の管理責任や、新たな事業展開に伴うさまざまな業務については、学校に負担をかけないことが可能であると考えております。
 次に、校庭開放について、子供の安全にどこまで市が責任を持つのかの御質問にお答えいたします。
 校庭開放を学校に負担をかけることなく安全面に配慮して実施するためには、ほかの利用者や近隣に迷惑を及ぼすおそれがある行為などに対して注意を促すとともに、従来の校門警備と同様に、不審者への対応など、管理責任を担える管理員の配置が必要であると考えます。また、学校教育活動への配慮や子供たちが安全に帰宅できるような開放時間の設定など、検討課題も多いため、保護者や地域の御意見も伺うとともに、市長事務部局と教育委員会が相互に連携し、課題解決を図りながら、子供たちの育ちにとってよりよい環境づくりを進めてまいります。
 子供・子育てについての御質問にお答えいたします。
 平成27年度に施行されます子ども・子育て支援新制度において、民間活力の積極的導入という観点から、公立幼稚園及び公立保育所をどう位置づけて対応していくのかについてですが、今後においては、幼稚園、保育所、認定こども園というさまざまな種類の施設が、公立、私立それぞれに存在することになると考えております。こうした中で、各施設が果たすべきそれぞれの役割について検討し、定義づけした上で、就学前児童の人口の減少により、今後、施設が余剰となることも見据えた教育・保育の需要を予測し、将来の施設の適正配置を検討する必要があると考えております。
 次に、新制度において、多岐にわたる施設の種類のうちどの類型を活用すれば、民間活力の導入によって効果があるのかとの御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、これからの幼稚園、保育所、認定こども園、それぞれの施設の役割について今後十分に議論、検討していく中で、各施設におけるふさわしい民間活力導入の類型について方向性を示していく必要があると考えております。
 次に、8番目の市営住宅についての質問にお答えいたします。
 まず、市営住宅の統廃合の取り組みと移転先でのコミュニティーについてでございますが、市営住宅の統廃合につきましては、平成23年度に策定した西宮市営住宅整備・管理計画に基づき、現在、阪急神戸線以南において、10カ年の前期で14団地を3団地に統廃合する建てかえ計画を進めております。阪急神戸線以北の集約化の計画については、10カ年の後期を中心に具体化を図るとしておりましたが、これまで市においてそれぞれの部署で進めてきた全庁的な公共施設の整備計画の検討を一元化するとともに、廃止した団地の跡地など、庁内の利活用可能な土地資産の有効活用や売却による財源確保などについて取り組んでまいります。
 移転先での入居者間のコミュニティーにつきましては、各廃止団地から建てかえ住宅へできるだけ集団で同じ団地へ移転していただくことを基本に、できる限りコミュニティーが維持できるように努めておりますが、御指摘のように、市営住宅はもともと高齢化率が高く、特に甲子園九番町住宅の平成26年3月31日現在の高齢化率は約67%と非常に高くなっております。市及び指定管理者は、高齢者の方が早く新しい生活環境になじんでいただけるよう、地域に関する相談などに対応し、また、引っ越し先の管理運営委員会への加入が円滑にできるよう支援を行うなど、コミュニティーの形成に努めているところでございます。
 次に、市営住宅のあり方自体の検討についてですが、阪神・淡路大震災後に約2,700戸の災害公営住宅等を大量に供給したことにより、管理戸数が約1.3倍と大幅にふえ、市営住宅の床面積は、市の公共施設全体の約41%を占めるに至っております。市営住宅の管理戸数の削減については、総量削減を目標に掲げている本市の公共施設マネジメントの取り組みにおいて重要なテーマであり、統廃合など集約化による削減計画の具体化にあわせ、廃止団地の公募停止の時期や住宅募集計画の効果的な運用などにより、さらなる管理戸数の削減を目指してまいります。
 職員配置のあり方についての御質問にお答えいたします。
 職員の任用及び配置については、これまでも、業務の改廃等に伴い、当該業務に係る減員が生じた場合にはほかの業務への配置転換を行うなど、有効活用を図ることにより、採用計画にも反映させてきたところでございます。今後、効率的な組織運営や組織の活性化を図るため、民間活力の導入を初め、継続して各業務のあり方や執行体制の見直しを行うこととしており、その中で、職種の違いを超えた配置のあり方についても見直してまいります。
 正規職員と非正規職員の業務や役割につきましては、改めて点検を行ってまいりますが、それぞれの役割に応じた処遇についても十分精査し、適正に対応してまいります。
 また、今後の採用でございますが、新しい政策課題に対応していく力を有する人材を広く求める必要があることから、庁内だけでは補完することができないような専門技術や能力を持った人材を確保するため、中途採用を含めて採用手法を研究、実施していきたいと考えております。
 10番目の参画と協働についての御質問にお答えいたします。
 地域には、自治会や町内会、福祉会など、さまざまな地域活動を行う団体がございますが、近年は、少子高齢化や住民の価値観の多様化などから、自治会などの加入率の低下や役員の担い手不足など、大きな課題となっております。御指摘のとおり、市といたしましては、引き続き自治会などの加入促進に向け、自治会ガイドブックの配布や相談受け付け、アドバイスなどを行い、地域活動を支援してまいります。今後、いわゆる縦割り行政を見直し、地域という横串を通し、地域との信頼関係の構築や効率的な施策展開を図り、エリアごとに地域福祉が実現できるような体制の確立を目指してまいります。
 最後に、11番目のアサヒビール西宮工場跡地への公共施設移転問題と昭和30年代の石油コンビナート誘致計画問題の類似性について私からお答え申し上げます。
 西宮の将来に対して大きな影響を及ぼし得る大きな事業について、当時の市長ないしは議会の多数と意を異にする市民が多数存在していたという点においては、極めて類似性の高い問題であると考えております。
 以上で答弁とさせていただきます。
【河崎はじめ】

御丁寧な答弁、お一人で、本当にありがとうございました。
 再質問を行いたいと思いますが、予算と組織について、市営住宅について、西宮市立中央病院について、アサヒビール西宮工場跡地公共施設移転整備問題について、選挙チラシについて、一問一答で、今の順番で行わせていただきたいと思います。
 市長は、めり張りをつけて、予算とか総合計画に対しての見直しは基本的に、初年度はアサヒビール工場跡地と病院だけ、あとは、方向にかじを切っていくことはするけども、予算をつけたり、減額したり、組み替えたりはしないようなことかなと、この2日間聞いていて思ったんですけども、中でも、きのうなんかでも、すごいゲリラ豪雨が降っていた地区がありましたし、宇都宮とかも雨で大変なことになっています。今、10年確率55ミリ──1時間当たり──を西宮は整備していますが、きのう、埼玉県かな、どこかで降った雨は、1時間当たり110ミリとかいうているから、55ミリどころの話じゃないんですね。今回、防災について、雨水と浸水についてというのも挙げておられますので、そのことについて、さらに補正予算なんかを組んで、もっと早く取り組んでいくお考えはないのかどうか、1番目の再質問といたします。


◎市長(今村岳司) 
再質問いただきました雨水・浸水対策について、補正予算で事業を実施するつもりはないのかという御質問にお答えいたします。
 私がマニフェストで掲げた新規・拡充施策については、今後、具体的な事業に落とし込み、事業費の調整やスケジュール等について庁内で協議検討を行った上で、来年度以降の予算に反映したいというふうに考えております。
 御質問の雨水・浸水対策については、これまで述べてきましたとおり、大変重要な施策の一つと考えておりますが、本年度の当初予算にも雨水貯留施設等の整備費を計上しておりまして、御承認もいただいております。今後、ほかの施策と同様に検討は行ってまいりますが、この点について、今年度、補正予算を計上する予定は、今のところございません。
 以上でございます。
 【河崎はじめ】
 ありがとうございます。
 初年度は、さっきも言いましたけども、病院とアサヒビール工場跡地以外は、予算をつけたり組み替えたり減らしたりというのはないと。まあ言うたら、基本的に河野市政を1年間は、細かいことに関しては、大きなこと──病院とアサヒビール以外は踏襲しますということだと思います。
 次の市営住宅についてですけども、事務事業評価を見せていただいたんですね。ちょっと古いんですけども、事務事業評価、24年度決算ですけども、これで、管理戸数が9,959、入居戸数が8,804、今、西宮でずっと市営住宅の計画をしているのが8,600まで減らしていくということなんですけども、入居戸数にしたら8,804までもう減っていると。入居戸数と管理戸数が違うのはすごくわかるんですけども、8,600は、平成33年までの予定でそこまで減らしていこうということなんですけども、あと200ぐらいに入居戸数のところは迫っているということで、一つ質問なんですけども、市長の考え方として震災前の7,000までは戻していこうというのがあるんですけども、それを、ピッチを今回速めようということでやっておられると思うんですけども、それに関して、さらに、7,000でとまるのかどうかということですね。福祉政策としての市営住宅を震災前の水準まで戻していく、そこでまださらに減らすとか、そんなお考えはあるのかどうか、一つ質問します。


◎市長(今村岳司) 
市営住宅についての再質問にお答えいたします。
 市営住宅の管理戸数は、全国の中核市の中で比較しても多く、適正な戸数にまで削減する必要があると考えております。今後、適正な管理戸数については、西宮市営住宅整備・管理計画の中間年である平成29年度の見直しに向けて、全庁的な公共施設の整備計画の検討を一元化する中で考えてまいろうと考えております。
 以上です。
【河崎はじめ】
 福祉政策として、やっぱり市営住宅の下限というのは守っていただけたらということで質問させていただきました。
 次が中央病院についてですけども、県との協議はしていっているのかとか、そういうのをいろいろ聞かせてもらいました。
 それで、ここに県の第3次行財政構造改革推進方策──第3次行革プランというのがあるんですけども、当然御存じやと思いますけども、この中で、県としても、平成30年までの予定がいっぱい入っているんですね、病院局として病院の。この中で、尼崎の建てかえとか、神戸のこども病院とか、丹波市の柏原病院、平成30年まではそれでもう予定がいっぱい。その次、30年以降も計画的に建てかえ整備を行うとして、姫路循環器病センター、県立がんセンター──明石にあるやつですね、この辺までが入ってきているんですけども、ここにどうやって割り込んでいけるのか、その辺どういうお考えなのか、その辺をお聞かせください。

◎市長(今村岳司) 
 中央病院についての再質問にお答えいたします。
 県立病院全体の整備計画と、中央病院と県立西宮病院との統合の整合性についての御質問と思われます。
 本年3月に県が策定されました第3次行財政構造改革推進方策、いわゆる第3次行革プランに平成30年までの県立病院全体の整備計画が記されておりますが、御指摘のとおり、そこには県立西宮病院に関するものは予定されておりません。しかしながら、市民が市政に求める施策のうち医療の充実は常に上位を占めており、市内の医療環境の改善は喫緊の課題でございます。課題の解決に当たっては両病院が統合することが最適であることや、申し上げてきましたように、医療関係者や医師を派遣している大学においても統合に賛成し、積極的支援をするとの御意見をいただいていることなどをお伝えし、県立病院の整備計画の変更を求め、両病院の早期の統合実現に向けて努力してまいりたいと考えております。
 以上です
【河崎はじめ】
ありがとうございます。
 今の御答弁で、市民が市政に求める施策のうち医療の充実は常に上位を占めており、市内の医療環境の改善は喫緊の課題ですと。これね、県で言わせたら、県民が県政に求める施策のうち医療の充実は常に上位を占めており、県内の医療環境の改善は喫緊の課題ですと。やっぱり向こうの立場もある、県の立場もあると思うんです。実際、県立病院って平成4年に建ったものです。今、ここの建てかえ計画に上がっているものは、新しいやつでも尼崎の昭和62年、丹波市の柏原なんかでしたら昭和54年、30年以降の計画にこれから回ってこようという姫路循環器病センター、昭和56年、県立がんセンター──明石のやつ、昭和59年、こういった順番があると思うんですね。そこに平成4年の県立病院を西宮さんの都合で建てかえてくれといって、もし市長が県会議員であれば、県全体のことを考えている県会議員であれば、県会、承認できると思いますか。その辺のお考えをお聞かせください。

◎市長(今村岳司)
 例えば両方とも潰します、一個病院をぽんとつくりますというのだけが統合のスキームではないと思っていまして、例えば、統合を前提として、あそこに将来的には県の病院も市の病院も行きましょうというプランをつくります、それで県も市も納得していますと。例えば県は、御指摘のとおり、今、県立病院、まだまだ全然使える施設なわけですから、あの施設が使える間は今のところで継続的に事業を続けます、医療行為を続けますと。市立の中央病院のほうは、建物の老朽化も耐震のこともありますので、先に行って待っておきますと。ただ、残りのところには県立の病院が来るのを待っていますよ、それがちゃんとプランとなっていて、県とも協議されたものであるということであれば、御指摘のとおり、今まだ全然使える県立病院を今すぐ潰して、西宮の中央病院も潰して、さて新しい病院をつくりましょうだけが何も統合のためのスキームではないと考えているので、いろんな方法が考えられると思っているんですよ。そういったものも含めて検討してまいりたいと思っています。
 御指摘のとおり、今すぐ県立西宮病院を店じまいしてくださいというようなことを例えば県でお話しするとなったときに、それが納得を得られないものであるというのは、当然私も重々承知しておりますし、そういうふうなプランというのは、こちらから検討するべきでないというふうには思っております。
【河崎はじめ】
  ランデブー方式というか、待ち合わせ方式みたいなことですね、先に待っているから来てちょうだいというような。それがアサヒビールのあの土地ではだめなんですか。あそこの場所でいいんじゃないんですか。あそこの場所で、どうしてもそれではだめなんですか、ランデブー方式。それをお答えいただけたらと思います。

◎市長(今村岳司)
 御指摘のランデブーがアサヒビールの工場の跡地で可能かどうかということについてですが、これまでずっと前の市長のときに方針としてあったのは、アサヒビールに移るのは単独ですよ、そして、市の病院と県の病院とは統合しませんというふうな態度でした。なので、あそこに移動すると言っていたのは、単独の病院ということが想定されていたわけですし、例えば隣に県立病院がやってきますと。例えば今ある県立病院が耐用年数が来た場合に隣に移ってきますよというプランでしたというわけでもなかったと考えております。なので、白紙撤回ということで話をゼロから進めようとしておるわけでございます。
【河崎はじめ】
 確かにもともとの計画はそういう計画ではないですけども、市長が言っておられるように、新しい土地は買わないと言ってはるところで難しいかもしれませんけど、新しい土地を買わなくて、そのランデブー方式をどこでやるかというたら、なかなか難しいと思うんです、実際の話。だから、それだったら、もう一遍考え方をかなり変えて、そこを最初から買ったらいいじゃないですか、今やったらまだ買えるんですから。こっち側がそういう計画を全部、これまであったものの配置をまた考え直せばいいことじゃないですか。だから、それは7月31日までだったら買えるんだから、そうしてランデブー方式、待っていたらいいんじゃないですか。そうやないと、今のままでしたら、なかなか、お金ばっかりかかって、言っているように、来るまで待っているといったら、その間、今のところで耐震工事をしたとしても、本当に10億円ほどまずはかかるとか、時間ばっかりかかっていって、まだまだ老朽化していってと。そういうふうな何か悪循環に入っていきそうな感じがするんですけども、その辺はどうお考えですか。
◎市長(今村岳司)
 昨日お話し申し上げたとおりですけど、アサヒビールの工場の跡地に県立病院と統合されるべき大型の基幹病院を実現しようという話が、例えば県と早いうちに話ができて、そして、県との合同事業としてアサヒビールの工場の跡地を取得しましょうよ、だから、市もその分の──例えば600床になりますよとなれば、例えば県立が400で、西宮市立中央は250ですよね、例えば3分の1程度を市は負担金として出してくださいよというような話であれば、全然話としては検討し得ると僕は思っております。ただ、現実的に、やっぱり時間の問題がありまして、それまでに県との統合に関する議論が──県が既に計画としてやるとか、アサヒビールに移りましょうという話で県と話がまとまるというのは、現実的には難しいと考えております。

【河崎はじめ】
 確かに県立はまだまだ使える問題ですから、すぐ市と一緒になってくれというも絶対嫌やろうし、はやり言葉やないけど、最後には金目でしょうみたいな、最後は金でしょう、西宮市がどれだけ金を出してくれるんやったら、ほんならそれに行ってあげましょうかとか、不利な状況やと思うんですね、今、建物の年齢的としてはね。その辺、これからもいろいろ考えていかんとあかんところではありますが、白紙撤回ありきじゃなくて、もっといろいろ柔軟に考えていただけたらと思います。
 次は、アサヒビール跡地ですけども、私、市長選挙が終わってから、いろいろ町なかを歩いていると、今、西宮市の、ピンポンと押していった場合、ポストが目につきますね、そこの家のポスト。チラシお断りって書いているポスト、すごいふえました、西宮の。本当にチラシお断りというポストがすごいふえました。これは、それがどうしてんと言われたらそこまでなんですけどね、ふえました。
 それと、次ですけども、よく言われるのは、262億円、市長がかわったね、だから、今回、西宮の予算から262億円、ほかのものに使えるねって勘違いしている市民の人、すごく多いんですね。それは、言わせてもろうたら、きのうからのいろんな質問で聞いている市長のオーバートークがいろんなところにあるんですよ。それがそういうふうな勘違いをさせているところがすごくあります。結局、市民は、3,065億円の今年度の予算から262億円が浮いてしまった、そんならほかのことにいっぱい使えるじゃないかって、そう思っている人がすごく多いんですけども、そのことに関してはどう思われますか。

◎市長(今村岳司)
 これまでの選挙及びその前の政治活動において、262億円というのがそのまま別のものに使えるじゃないかというふうに市民に勘違いされていますよというふうな御指摘でございます。
 私は、これまでの主張の中において、アサヒ関連の公共施設整備を単年度で執行する予算ですよというふうに訴えたわけではございません。
 以上です。
【河崎はじめ】
 262億円の無駄な公共事業と言いはったから、そういうふうになっているんですよ。262億円の無駄な公共事業、この2日間、みんながいろんな質問をしました。その中には、体育館もあり、公園もあり、消防署もあり、現地で建てかえたら、それぞれお金がかかるんですよ。それを私は、幾らかかって、幾らぐらいそれなら違うんですかって壇上で質問しました。でも、それは、今のところはそれぞれやから、すぐ数値では答えられないと。それは答えられないでしょう。しようがないとは思います。すぐ答えろとは言いません。でも、262億円が丸っぽ余ったわけではないというのは確実なんですよ。病院なんかにしたら、今言うたように、もっとお金がかかるかもしれない、本当に。そういうふうなところで、消防にしろ、体育館にしろ、そういうふうな形で、みんな老朽化している、耐震をどこも満足していない。そういうふうなところで、262億円だけがひとり歩きしている。勘違いしている市民の方はすごく多いです。このことだけ、今回の私の質問で、みんな聞いている人にはぜひ知ってもらいたい。262億円がことしの3,065億円の予算から丸っぽ余ったわけではありません。ほとんどは余っていません。そういうことです。そのことだけ、ぜひ知ってもらいたいと思います。
 それと、きのうからの質問で、ずっと聞いていてちょっと気になったことなんですけども、あそこの体育館を現地で建てかえますって言ってはりますけども、あそこ自体が総合運動公園ですね。その公園の中の体育館を建てかえていくということに対しては、陸上競技場とか、かなりいろいろ難しいことがあると思うんですけども、都市公園法においてもそうやと思うんですけども、その辺はどうお考えなんでしょうか。

◎市長(今村岳司)
 現在の総合運動公園の中で建てかえる際に問題となってきますのは、多分、公園全体の面積に対しての運動施設の割合になると思います。もちろんそのことは承知しておりまして、今、こんな方法があるんじゃないだろうかということでいろいろ所管に検討させておるわけですが、その中では、当然、その点にも配慮したプランをもちろん考えております。
 以上です。
【河崎はじめ】
 その辺もまたいろいろ検討していって──検討していくことがかなり多いんですけども、検討していっていただきたいと思います。
 次ですけども、市長は、いつもよく言われる、合理的な判断、合理的な判断と。これね、もう一遍聞きますけど、アサヒビール跡地、あそこに体育館が入り、病院が入り、防災公園ができ、消防ができ、病院は、西宮市民の生命を守る市民サービスですね。体育館は、今の体育館でも稼働率は90%ぐらい、非常に市民がよく使う設備、それと防災公園、本当に防災になったときに1ヘクタールの公園、で、市民の命と財産を守る消防署ですね。この四つが集まってくること自体、すごく合理的じゃないですか。非常に合理的、市民サービスとしてこの上ない合理的、こう私は思うんですけども、これが合理的でないというのは、どう合理的にそれを証明しておられるのか、本当にそういうふうに感じます。市長は、結局、最初から言うているから絶対やめられないというところに合理的じゃない考え方があると思うんです。その辺、ぜひお答えください。
◎市長(今村岳司)
 最初の御答弁で申し上げたとおりなんですけども、例えば中央体育館については、今あるところだとグラウンドもあるわけですよね。そういったものとの一体的な活用が可能であると。それがアサヒビールの工場跡地に移ってくると、離れてしまいますよね。そういったことも非合理的だと考えたうちの一つでございます。もう一つは、これも最初の答弁で申し上げたとおりなんですけども、あの体育館は、大社地区における重要な避難所の機能も果たしております。なので、あの体育館を津門のほうに移した場合には、大社地区の避難所は一体何を御用意すればいいんでしょうかということも新しい問題として出てきます。なので、現地周辺での建てかえが最もふさわしいというふうに考えてまいりました。
 そしてまた、病院についても、これはこれまでたびたび御説明申し上げているとおりですが、先に西宮でどんな医療を提供すべきなのか、その中で公立病院がどんな役割を果たすべきなのか、そんな中で県立病院とはどのような立ち位置であるべきなのか、そういったことまでが議論されて、やっと中央病院自体がどうあるべきかという議論が出されるべきだと考えております。なので、そういった議論に整理をつけることこそが合理的だと考えております。
 以上です。
【河崎はじめ】
 市長のお考え方は変わっていないなということで、変わらないだろうと思うんですけども、で、262億円だけがひとり歩きして、それだけが全部浮いたんだという、そういう考え方がやっぱりあると思うんですね、市民の間に。
 最後ですけど、石油コンビナートの話。
 これね、石油コンビナートは、昭和30年代、西宮の浜を埋め立てて持ってこようか、持ってこまいかとしたわけですね。今度のアサヒビールの跡地は、そこへ持ってきて、それが、最初に言うたように、商業の施設でも何でもない。石油コンビナートは、そのときの選挙でやめれば、やめただけで終わるんですよ。石油コンビナートを誘致するか、誘致しないかだけの話で終わるんですよ。今回は、これはまちづくりの話だから、今回やめたとしても、病院どうするねん、体育館どうするねん、消防署どうするねんという話に今なっておるわけですよ。次元が全く違う話なんです。石油コンビナートは、ここへ持ってくるのは、もうオール・オア・ナッシングですわ。全部持ってくるのか、なしにするのかだけの話。今回は、そんな話じゃないじゃないですか。それを、何か西宮市民を二分したと。二分してないんですよ。市長が200万以上のチラシを配ったことによって、なぜか262億円だけがひとり歩きして、わあ大変やという、そういうことになって、二分したように見えるだけであって、最初の根本からしたら話が全然違うんだと僕は思うんですけども、その辺、どうでしょうか。

◎市長(今村岳司)
 昭和30年代に石油コンビナートが誘致されるかもしれないという話がありまして、最終的にはそうなりませんでした。そのことについては、石油化学コンビナートが西宮の浜を埋め立てて行われるという事案が、もちろん西宮に対してすごく大きい影響を及ぼすことは明白なわけですよね。それがなぜ必要なのかとか、それがどのようにされるべきなのか、それで起こり得るべき課題にどうやって対応するのか、そういった議論がないままに話が先行したことというのが問題だったと考えております。
 で、今回のアサヒビールの工場跡地の件に関しても、多額の経費を要する施設整備というものは、これを建てましょう、あれを建てましょうと──現にこれまでの西宮市役所ではそうしていたようですが、各所管で必要な建物を必要な年次になったら建てていこう、そういったことをしてきましたが、やっぱり本来であれば、全庁で持っている資産を有効活用し、それから、総量も圧縮しつつという公共施設マネジメントの考え方が始まってきています。
 そんな中で、果たして従前より体育館、ないしは消防署、ないしは中央病院というのが、今まさしく移転すべき場所も探していて、アサヒビールの場所が最適地で、その土地を取得するのが最適の方法でということの議論が欠落していたというふうに私は思っております。先ほど申し上げましたように、中央病院に関しては、医療のあり方、こちらの議論からなされるべきだったと考えておりますし、体育館、消防に関しては、果たしてわざわざ新しく土地を取得して整備しなくても、土地を取得せずとも、現にありものの土地を有効利用することによって整備することは可能だと。そういうふうな論点に対しては結論がついていなかったと思っているんですね。
 いずれにせよ、大きなお金もかかる問題です。大きなお金がかかりますという意味で大きな影響があります。大きな影響がある問題が、誰もが納得できる合理的な説明がないままに進められようとしていたということに関して、類似の事案であったというふうに考えております。
 以上です。
【河崎はじめ】
 もう最後の質問にしますけども、市長がこの2日間、私が過半数をとったわけではない、そういうふうに2回ほどおっしゃったと思います、選挙で。ですから、住民の過半数がアサヒビール工場跡地を買うことの白紙撤回に賛成でない、半分以上が賛成であるとは別に思っておりませんというふうな答弁が2回ほどあったと思うんですけども、私が言っているように、262億円がひとり歩きしている。262億円だけが今年度の予算から、本当にそれががぼっと外れて、本当にすごいことに、ほかに使えるんやみたいなことを思っている市民の方、本当に大勢おられます。そういうのを一遍考えるならば、西宮市、ここね、参画と協働の推進に関する条例第13条、「市長は、市政に関し、市民の意思を直接問う必要があると認めるときは、住民投票を実施することができる」、これにかけてみる気はございませんでしょうか。
◎市長(今村岳司)
 昨日来、自分が市長選挙でいただいた票というのは過半数でもないというふうに申してきました。仮に前回の市長選挙の投票率が90%とかで、そして、その大多数の票を自分がとっていたとしても、だからといって、今村が何でも自分の好きなことをできるというわけではございません。それは、これまで述べてきていますように、地方自治の推進というのは二元代表制によって行われるべきでありますので、市長ができることもあれば、議会の承認をいただかなければいけないものもございます。そして、市長選挙でくだんの計画を白紙撤回しますよと掲げて当選人となった自分が市長としていることも民意だとは考えておりますが、これまで重々申し上げてきましたとおり、西宮市議会の多数決でこの3月で土地の取得に関する予算が可決されているということも民意であるというふうに十分承知しております。なので、これが民意なのでこれで進めますよというよりは、自分が選挙で当選したという民意のあらわれと3月に議会の皆さんが多数で予算を可決しているという事実、これをこれから整合していくための議論をしていくことによって、民意というものの今の時点で言うとそごがあらわれていることを整合できるというふうに考えております。
 なので、改めて今ここで例えば住民投票をしたとして、その結果が出たとして、それがどうだったからどうというふうに決めるよりは、既に民意のあらわれたものとしての皆さん議会の多数決、それと私の選挙結果というのがありますので、これを年度内で議論していくことによってそごを整合したいというふうに考えております。
 以上でございます。
【河崎はじめ】
間をかけて話し合っていってもいいんだと思うんですけども、今おっしゃったように、民意は真っ二つに割れていると思います、今。それで、病院とかは、人間の命にかかわる施設ですので、そんなに時間はかけられないですね。ですから、やっぱり最終的にはそういうようなことも一つの手段であるかなと思います。
 最後に、昭和20年代、これは有名な話ですけど、名古屋の田淵寿郎さん、100メートル道路を、当時、名古屋に飛行場をつくるんかと言われた、今では久屋大通りと若宮大通りになっている、だから、将来を見据えた、そういう思い切った先行投資をした、そういう、佐藤市長のもとでの田淵寿郎さん、名古屋の、その人なんかのそういうふうな気持ちも──これからは高度成長はしないかもしれません。でも、絶対将来において、最初も申し上げたように、あの土地はすごく西宮にとって、今手に入れておけば、将来的にすごい財産になると思います。
 それで、私の代表質問は終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。